アルギニンは、中等症~重症の新型コロナウィルス感染症の患者の呼吸状態を改善し、入院期間をほぼ半減し、死亡率を低下させました

 

  アルギニンは、自然免疫や獲得免疫の働きを高めます。アルギニンは、マクロファージの活性を高め、NK細胞の活性を増強し、T細胞の増殖や活性を高めB細胞の量や活性を高めIgGとIgMの血中濃度を高める細胞傷害性T細胞(CTL)の生存能力と細胞傷害性を増加し、セントラルメモリー様T細胞の生成を促進します。また、IL-1α、IL-2、IFNγなどのサイトカインの生成を促進し免疫系を活性化します。そのため、アルギニンは細菌やウィルスによる感染症を防ぐことが期待できます。また、アルギニンは、敗血症などの重傷感染症において、免疫系の調節不全の改善、サイトカインストームの抑制、臓器障害の抑制などの作用を有しますので、細菌やウィルス感染症における重症化を抑制することが期待できます。

  これらのことから、アルギニンは、コロナウィルスに対し、その免疫力増強作用による感染防御効果と、サイトカインストーム抑制作用による重症化抑制効果の両作用が期待できます

(「アルギニンは、免疫力を強力に高め、細菌やウィルスによる感染症を防御します!」を参照ください)。

 

  これらのアルギニン研究の背景のもと、最近アルギニンが中等症II~重症のコロナウィルス感染症の患者において、呼吸機能を改善し、入院期間をほぼ半減し、死亡率を低下させるという、極めて優れた臨床試験結果が報告されました。

 

 

◎イタリアおよび米国の研究者(医師ら)は、アルギニンが、プラセボに比べ、中等症~重症の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の患者の呼吸レベルを有意に改善し、入院期間をほぼ半分近くまで有意に減少させ、死亡率を低下させることを示しましたFiorentino et al., Effects of adding L-arginine orally to standard therapy in patients with COVID-19: A randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group trial. Results of the first interim analysis, EClinicalMedicine, 2021, Sep 9;101125.)。

 

【まとめ】

・中等症II~重症の新型コロナウィルス感染症の患者において、アルギニンは経口摂取によって、プラセボに比べ、呼吸補助のレベルを有意に改善しました。

・アルギニンは、プラセボに比べ、入院期間をほぼ半減しました。

アルギニンは、プラセボに比べ、死亡率を低下させました。

・アルギニンは経口摂取できます。医薬品ではないので安いし、すぐに誰でも入手できます。アミノ酸ですので安全性に問題はありません。使いやすいので、かなり早期から、あるいは予防的に使用できます。

 

  臨床的あるいは非臨床的知見は、血管内皮細胞が新型コロナウィルス感染症の鍵となる標的であり、本感染症は内皮障害による多臓器にわたる全身の血管病と考えられることを示しています。また、本感染症、特に重症例においては、アルギニンを分解するアルギナーゼ活性の上昇に伴う血漿アルギニンレベルの減少が報告されています。アルギニンは、内皮障害を改善することが知られているために、彼らはアルギニンの投与が本感染症の改善に有用ではないかと考えました。

【研究デザインと参加者】

  本研究は、プラセボ対照の二重盲検比較試験で行われました。対象の患者は、入院中、男女、18歳以上、新型コロナウィルスに対するRT-PCR陽性でした。この中から、次の選択基準でスクリーニングしました。

選択基準

・胸部画像にて肺炎

・酸素飽和度≦93%(中等症II~重症に相当)

・PaO2/FiO2≦300(PaO2:動脈血酸素分圧、FiO2:吸入中酸素濃度)

・リンパ球減少症(リンパ球<1500/μLまたは白血球の<20%)

除外基準(省略)(興味のある方は論文を参照ください)

 

【方法】

  患者は2群に分けられました(アルギニン群45名、プラセボ群45名)。アルギニン群には1.66gのアルギニンを1日2回入院期間中経口摂取させました。プラセボ群には同様にプラセボを摂取させました。呼吸補助は次のように定義されました(重症度の高いものから低いものへ、NIV(非侵襲的換気療法)→CPAP(持続陽圧呼吸療法)→HFNC(高流量鼻カニュラ酸素療法)→LTOT(長期酸素療法))。

 

【研究の目的】

  主要評価項目は呼吸補助におけるレベルの低下(すなわち、より軽症レベルへの移行:NIV→CPAP→HFNC→LTOT→室内気)(ランダム化後10日目と20日目に評価)。

  二次評価項目は、入院期間の長さ、リンパ球数の正常化への期間、RT-PCR陰性化への期間です。

 

【結果】

  参加者は、症状発現後、平均7.8日で治療を受けました。すべての参加者は酸素吸入を受けていました。参加者の年齢は平均57~66歳でした。合併症は高血圧(31~42%)、冠動脈疾患(11~18%)、肥満(9~11%)、糖尿病(9~11%)でした。症状は、無力症(91~93%)、呼吸困難(96%)、咳(29~33%)、発熱(73~76%)、喀痰(2~9%)でした。PaO2/FiO2は155~162でした。併用薬は、レムデシビル(24~31%)、低分子量ヘパリン(91~93%)、ステロイド(100%)でした。

  主要評価項目である呼吸補助のランダム化後(治療開始後)10日目の軽減移行率は、アルギニン群で71.1%で、プラセボ群で44.4%であり、アルギニン群で有意に軽減移行率が高くなりました(p<0.01)。一方、20日目の評価では、アルギニン群とプラセボ群で有意な差はみられませんでした。

  一方、PaO2/FiO2比は10日目の評価では、アルギニン群228.3、プラセボ群186.4で、アルギニン群で有意に改善していました(p=0.02)。しかし、20日目の評価では有意な差は認められませんでした。

  二次評価項目については、アルギニン群における退院までの期間は、プラセボ群に比べ、ほぼ半分まで有意に短縮されました(中央値:アルギニン群25日、プラセボ群46日)(p<0.001)。(なお、アルギニン群においては入院後30日目ごろまでにほぼ全員が退院しました。一方、プラセボ群では全員退院するには60日かかりました)。

  一方、リンパ球数の正常化速度およびRT-PCR陰性化までの期間は両群間で有意差は見られませんでした。

  試験期間中(20日後まで)の死亡者は、プラセボ群で3名(6.7%)で、アルギニン群で0名(0%)でした。また、ランダム化後試験開始前の患者も含めると(これらの患者は試験には参加していませんでした)、死亡者は、プラセボ群で計11名(20.8%)、アルギニン群で計3名(6.3%)でした(p=0.035)。

  重篤な副作用は、プラセボ群で3件(縦隔気腫、膵炎、肺血栓塞栓症)、アルギニン群で1件(気胸)に見られましたが、医師によって本試験とは関連性はないと考えられました。

 

【考察】

  重症の患者を含む新型コロナウィルス感染症(CVID-19)のランダム化臨床試験において、標準治療+アルギニン経口摂取は、標準治療のみ(標準治療+プラセボ)の場合に比べ、呼吸補助に対する必要性を大幅に改善し、入院期間を大幅に減少させ、死亡率も低下させるという、極めて優れた結果を示しました。なお、アルギニンによると考えられる重篤な副作用はありませんでした。アルギニンの安全性は種々の研究によって既に確認されています。なお、ランダム化後(治療開始後)10日目の評価では呼吸補助の軽減移行率がアルギニン群で有意に改善したのに、20日目の評価ではプラセボ群と有意差が見られなかったのは、アルギニン群では20日目ごろまでに改善した患者はどんどん退院していったために、より少数の重症の患者のみが残っていたためと考えられました(一方、プラセボ群では20日目ごろはほとんどの患者がまだ入院していました)。

  一方、リンパ球減少症の正常化への期間およびRT-PCR陰性化までの期間には、アルギニンによる有意な改善はありませんでした。これは、アルギニン摂取までに症状発現から平均7.8日経過していること、すべての患者が酸素吸入療法を受けていることなどから、アルギニンの摂取開始が遅すぎた可能性が考えられます。新型コロナウィルス感染症においては、発症後数日はウィルス増殖が、そして発症後7日前後からは宿主免疫による炎症反応が主病態であるために(「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第8版」(2021年7月31日)、日本感染症学会)、アルギニンの抗ウィルス作用を見るためには発症初期あるいは予防的に投与する必要があると考えられます。

  アルギニンの、重症新型コロナウィルス感染症の改善作用のメカニズムに関しては以下のように考えられます。

  重篤な新型コロナウィルス感染症患者において骨髄由来抑制細胞(MDSC)が増加します。それによってアルギナーゼの産生が促進されます。増加したアルギナーゼはアルギニンを分解し全身のアルギニンを減少、枯渇させます。アルギニンは、血管内皮細胞をコントロールして血管の正常化を維持し、また、T細胞の増殖や活性化を促進しますので、その減少や枯渇は内皮細胞を障害し、T細胞を減少させます。内皮障害は全身の血管病(微小血管障害、血栓形成など)を引き起こし、血管炎や血栓症、脳梗塞、心筋障害などを生じます。一方、T細胞の減少は、T細胞の機能不全を引き起こし、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-αなど)を増加させサイトカインストームを引き起こすと考えられます。このサイトカインストームがCOVID-19における急性呼吸促迫症候群(ARDS)などを引き起こしていると考えられます。

  アルギニンは、内皮障害を改善します。アルギニンは、T細胞を増殖、活性化します。アルギニンは、敗血症モデルの肺において顕著に増加した炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)レベルを有意に抑制しました。一方、抗炎症性サイトカイン(IL-10、TGF-β1)レベルは有意に増加させました。また、肺の組織学的検査において、敗血症モデルに見られた、中隔スペースの肥厚、肺胞構造の破壊、好中球浸潤、浮腫、充血、うっ血、肺胞内出血、点在した肺実質片などの炎症性障害は、アルギニンの投与によって顕著に軽減していました。このように、アルギニンは、その内皮障害改善作用と、T細胞の増殖、活性化作用によるサイトカインストームの抑制によって、重症の新型コロナウィルス感染症を改善し、呼吸機能の改善、入院期間の短縮、死亡率の低下などを引き起こしたものと考えられました。

 

【アルギニンを新型コロナウィルス感染症対策に使用する場合のメリットとデメリット】

◎メリット

アルギニンは、新型コロナウィルスに感染した早期に摂取することによって、重症化を防ぎ、退院が大幅に早まり、死亡を防ぐことが期待できます。

・アルギニンの、中等症II~重症の新型コロナウィルス感染症に対する改善効果は、現在開発中の薬剤に比べても、同等以上の効果があるのではないかと考えられます(「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第8版」(2021年7月31日)、日本感染症学会)

・経口摂取できます。

・医薬品ではないので安いし、すぐに誰でも入手できます。

・アミノ酸ですので安全性に問題はありません。

・かなり明確に効果が期待できます。

・使いやすいので、かなり早期から、あるいは予防的に使用できます。

 

◎デメリット(または今後の課題)

・アルギニンの抗ウィルス活性を調べるために、予防的、あるいは早期投与の試験が必要です。

アルギニンはこのような方に特におすすめします

トピックス

●2021年9月30日
★アルギニンが新型コロナウィルス感染症を改善することが示されました。

トピックス

●2020年7月27日
★本日、アルギニンで初めて、アルギニン(単成分)を機能性関与成分とする機能性表示食品(弊社開発品)の届出が受理されました。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

043-301-3073

営業時間:平日9:00~18:00(土曜、日曜、祝日、年末年始を除きます)

フォームでのお問合せ・相談予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

代表者ごあいさつ

古賀 弘

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。 

お客さまの声

アルギニンを摂取された方の体験記を掲載しております。

ご注意(重要)

本ホームページご利用に当たってのご注意

◎ご利用にあたって

本ホームページにおける「アルギニンの働き」を利用されるにあたり、専門家(医師、看護師、薬剤師)にご相談されることを強くお勧めします(弊社薬剤師または看護師にご気軽にご相談ください。)。

◎本ホームページの目的および引用データについて

本ホームページは、世界的に発表されたアルギニンの最新文献をもとに、アルギニンの最新情報をお届けするものです。そのためそれらのデータに関する最終責任は該文献著者に存在します(引用文献として示してあります)。データに関する疑義は弊社または該文献著者にお問い合わせください。