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【図の説明】
メタボリックシンドロームは、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の乱れなどから内臓に過剰の脂肪が蓄積した結果、この脂肪細胞から体に悪影響をおよぼすさまざまな生体物質(悪玉ホルモン)が出ることによって、インシュリンがうまく働かなくなって高血糖になったり、血圧が高くなったり、血清脂質異常になったりして発症します。メタボリックシンドロームにおいては、動脈硬化や心血管病(動脈硬化性疾患)の危険因子(肥満、高血圧、高血糖、高脂血症など)を複数持っているために、それらが起きる危険性が飛躍的に高まります。
アルギニンは、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症などを改善し、メタボリックシンドロームを改善します。アルギニンのメタボリックシンドローム改善作用は主に、アルギニンから生成する一酸化窒素(NO)によると考えられていますが、アルギニンのアディポネクチン(善玉ホルモン)増加作用がその働きの少なくとも一部に関与している可能性が示されています。
また、アルギニンは、動脈硬化や心血管病(動脈硬化性疾患)も直接予防・改善します。
このように、アルギニンは、画期的なメタボリックシンドローム予防・改善成分になると考えられます。
2.アルギニンはメタボリックシンドロームを改善します
1)アルギニンがメタボリックシンドロームを改善するデータ
アルギニンは、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症などを改善し、メタボリックシンドロームを改善します。アルギニンのメタボリックシンドローム改善作用は主に、アルギニンから生成する一酸化窒素(NO)によると考えられていますが、アルギニンのアディポネクチン(善玉ホルモン)増加作用(なんと3週間で40%増加)がその働きの少なくとも一部に関与している可能性が示されています。
アルギニンは生体成分(体に必要なアミノ酸)です。アルギニンの安全性は高く副作用の心配はほとんどないと考えられます。実際数多くの臨床試験でアルギニンによると考えられる副作用はほとんどありませんでした(Shao A et al., Risk assessment for the amino acids taurine, L-glutamine and L-arginine. Regul Toxicol Pharmacol, 50, 376 (2008))。
●アルギニンは人で肥満(腹部肥満)、高血糖、高血圧などを改善し、メタボリックシンドロームを改善しました
Lucottiらは、メタボリックシンドロームの人にアルギニンを長期に摂取させて体脂肪、血糖値、血圧などにどういう効果があるかを検討しました( Am J Physiol Endocrinol Metab, Nov 2006; 291: E906 - E912)。
肥満の患者(33人)(肥満、高血糖、高血圧などを併発)を21日間の低カロリー食(1日1,000kcal)と運動療法(1日1時間半の運動を週に5日)の試験に参加させました。これらの患者は2つのグループに分けられ、一方には1日8.3gのアルギニンを摂取させました(16人:女性12人、男性4人)(アルギニングループ(A))。また、他方にはプラセボ(アルギニンが入ってない偽薬)を摂取させました(17人:女性13人、男性4人)(プラセボグループ(P))。試験は二重盲検法※1で行いました。試験期間中これらの患者には副作用はありませんでした。
その結果(表参照)、低カロリー食と運動療法(プラセボグループ(P))によって体重、ウェスト周囲径、血糖値、フルクトサミン値(検査前1~3週間の血糖コントロール状態を示します)、インシュリン値などは明らかに(統計的に有意に)低下しました(すなわち、低カロリー食と運動療法によって、体重や腹部脂肪が減少し、インシュリン感受性が高まり、血糖値が低下して高血糖と肥満が改善しました)。
一方、低カロリー食と運動療法に加え、アルギニンを1日8.3g毎日摂取させると(アルギニングループ(A))、低カロリー食と運動療法の場合(プラセボグループ(P))よりもさらに大きく(統計的に有意に)体脂肪、ウェスト周囲径、血糖値、フルクトサミン値は減少しました(血糖値はほぼ正常まで改善しました)。また、インシュリン値はさらに減少し(統計的に有意に)、インシュリン感受性はさらに高くなりました。さらに、アルギニングループ(A)では血管内皮機能※2が改善され血管合併症(動脈硬化など)の危険が低下しました。
加えて、アルギニングループ(A)では血圧(収縮期と拡張期)が正常値まで低下しました(統計的に有意に)が、プラセボグループ(P)では変化はありませんでした。
アルギニングループ(A)ではアディポネクチン※3が増加しました(40%増加)(統計的に有意に)が、プラセボグループ(P)では変化はありませんでした。
アルギニンのこれらの働きは主に、アルギニンから生成する一酸化窒素(NO)によるものと考えられましたが、その働きの一部にはアディポネクチン増加作用が関与している可能性が示されました。
このように、アルギニンは、メタボリックシンドロームの患者(低カロリー食と運動療法で治療中の)で体脂肪(および腹部脂肪)をさらに減少させて肥満を改善し、血糖値をより低下させて(ほぼ正常まで低下させて)高血糖を改善しました。また、血圧も低下させ(正常値まで低下させ)ました。このようにアルギニンはメタボリックシンドロームを強力に改善しました。さらに血管の内皮機能を改善して血管合併症(動脈硬化など)の危険を低下させました。アルギニンのメタボリックシンドローム改善作用は主にアルギニンから生成する一酸化窒素(NO)によるものと考えられますが、さらにその働きの一部にアディポネクチンが関係している可能性が示されました。
※1 二重盲検法:医薬品やある成分の効果を正しく判定するための統計的手法です。医薬品やある成分をプラセボ(効果が無い偽薬)と同時に投与してその効果を判定します。医薬品やある成分の効果が、プラセボの効果よりも統計的に明らかに(有意に)高ければ医薬品やある成分は正しく効果があるということになります。
※2 血管内皮機能:メタボリックシンドロームでは高血糖、高血圧、高脂血症などによって血管の内皮機能が障害されることが血管合併症(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、壊疽、EDなど)の大きな原因になると考えられています。そのため、血管内皮機能が改善されると血管合併症の危険が低下します
※3 アディポネクチン:アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモン(善玉ホルモン)で、筋肉や肝臓の細胞が脂肪を燃焼するのを助け、肥満、糖尿病、動脈硬化などを防ぎ、メタボリックシンドロームを抑える働きがあるといわれています。ところが肥満、特に腹部肥満の人でアディポネクチンが減少し、これが肥満(腹部肥満)によるメタボリックシンドロームの大きな原因の一つであることが示されてきています。そのためこれを増やすことで肥満やメタボリックシンドロームの改善が期待できます。(参考文献:Adiponectin and adiponectin receptors in insulin resistance, diabetes, and the metabolic syndrome. Takashi Kadowaki, Toshimasa Yamauchi, Naoto Kubota, Kazuo Hara, Kohjiro Ueki, and Kazuyuki Tobe,J. Clin. Invest., Jul 2006; 116: 1784 - 1792など)
最近、NHKの「ためしてガッテン」(2015年10月28日放送)で、アディポネクチンは「長生きホルモン」として紹介されました。
表:肥満2型糖尿病患者に対する低カロリー食と運動療法の効果、およびそれに対するアルギニンの増強効果(試験期間3週間)
プラセボグループ(P) | アルギニングループ(A) | |||||
試験前 | 試験後 | 変化 | 試験前 | 試験後 | 変化 | |
体 重 (kg) | 102.1 | 98.4 | -3.7 | 105.8 | 102.8 | -3.0 |
脂肪重量 (kg) | 46.8 | 44.7 | -2.1 | 49.3 | 46.3 | -3.0 |
除脂肪体重 (kg) | 55.3 | 53.6 | -1.7 | 56.5 | 56.5 | 0.0 |
ウェスト周囲径 (cm) | 116.7 | 113.5 | -3.2 | 121.1 | 112.8 | -8.3 |
収縮期血圧 (mmHg) | 149 | 149 | 0 | 151 | 128 | -23 |
拡張期血圧 (mmHg) | 89 | 88 | -1 | 90 | 78 | -12 |
平均空腹時血糖値 (mg/dl) | 156 | 123 | -33 | 163 | 106 | -57 |
フルクトサミン (μmol/l) | 280.8 | 257.8 | -23 | 274.6 | 220.4 | -54.2 |
空腹時インシュリン値 (mU/l) | 18.6 | 15.6 | -3 | 21.8 | 13.6 | -8.2 |
アディポネクチン (ng/ml) | 4.2 | 4.2 | 0.0 | 4.0 | 5.6 | 1.6 |
これについては『アルギニンは高血圧症を予防・改善します!』をご覧ください。
●アルギニンは高血糖を改善します
これについては『アルギニンは糖尿病・糖尿病合併症を予防・改善します!』をご覧ください。
●アルギニンは動脈硬化および心血管病を予防・改善します
アルギニンはメタボリックシンドロームを改善するだけでなく、動脈硬化およびそれによって引き起こされる心血管病も予防・改善します。
これについては『アルギニンは動脈硬化および心血管病を予防・改善します!』をご覧ください。
2)アルギニンの摂取方法
●通常のアルギニンサプリメント
アルギニンの摂取量は1日2~4gくらいから開始し、様子を見ながら摂取量を調節してください(アルギニンは副作用の心配はほとんど無いと考えられます)。これを1日2~3回にわけ摂取します(空腹時または食後に)。改善が見られたときは改善具合を見ながら摂取量を調節してください。
現在、薬をお飲みの場合は一緒に飲んでも特に問題は無いと考えられます。
文献的には、1日8.3gのアルギニンの摂取(ダイエットと運動を併用)によって、ダイエットと運動のみの場合に比べ、メタボリックシンドロームがより強く改善したと報告されています。
なお、肥満やメタボリックシンドロームの改善にアルギニンを摂取される場合は、できるだけ運動やカロリー制限(ダイエット)と併用されることをおすすめします。
※アルギニンの重大な問題点
メタボリックシンドロームにアルギニンが効果を示すには、アルギニンの大量摂取が必要と報告されていますが(1日8.3g)、その理由は①アルギニンは、腸(のアルギナーゼ)によって分解され、摂取した量の2~5割しか体に利用されません。また、持続性が短いです(5~6時間程度)。②老化や老化病、メタボリックシンドロームなどにおいて、あるいは長期間の摂取(例えば3ヶ月程度以上など)や大量摂取(例えば1日3g程度以上など)などにおいて、全身のアルギナーゼ活性が上昇することが知られており、そのような時、アルギナーゼによってアルギニンが分解されるため、アルギニン不足により、アルギニンの働きが弱くなったり、消失したり、アルギニン不足によって生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化を引き起こしたりします。③アルギニンの最も重要な作用として、アルギニンがNOS(一酸化窒素合成酵素)の働きによって変化を受け生成するNO(一酸化窒素)による働きがありますが、NOSは活性酸素の影響を受けやすく、酸化ストレス(活性酸素)が亢進しているとき〔老化や老化病、メタボリックシンドロームなどにおいて〕、活性酸素によってNOSの働きは阻害され、NOSはNOを生成せずに活性酸素(スーパーオキシド)を生成します。その結果、アルギニン(NOを介した)の働きが弱くなったり、消失したり、生成した活性酸素でかえって健康障害や病気の悪化を引き起こしたりします。
すなわち、アルギニンにはこのような重大な問題点があるため、働きが弱く〔働きを示すために大量摂取(通常1日量として3~9g)が必要〕、持続性が短く(6時間程度。1日4回程度の頻回摂取が必要と考えられます)、長期間(例えば3ヶ月程度以上)の摂取で働きが弱くなったり消失したり、かえって健康障害が生じたりします。そのため、大量のアルギニンを長期間漫然と摂取することはお避け下さい。
一方、アルギニンの重大な問題点①~③を克服することによって、アルギニンの働きは数倍以上に強力になり、持続性が長くなり、長期間の摂取によっても働きが弱くなったり、消失することがなく強力に働き続けることが期待できます。
●『進化型スーパーアルギニンサプリメント』の場合
(『進化型スーパーアルギニンサプリメント』について詳しくは「アルギニンの欠点を克服し、超強力・超持続を目指した、進化型「スーパーアルギニンサプリメント」の開発の試み=長寿、健康長寿、若返り、老化・老化病抑制も夢ではない、究極のスーパーアンチエイジングサプリの創製を目指して=〚詳細編〛または〚概要編〛をご参照ください)。
『進化型スーパーアルギニンサプリメント』は、アルギニンの重大な問題点①~③を克服し、働きの発現が非常に早く、超強力(6~8倍程度あるいはそれ以上)・超持続(2倍程度)で、長期間(例えば3ヶ月程度以上)働きが期待できます。そのため、メタボリックシンドロームの予防・改善には、アルギニンとして1日1g程度の摂取から始めます。効きめを見ながら摂取量を調節します。効果をあらわす摂取量は個人によって異なる場合があります。なお、『進化型スーパーアルギニンサプリメント』の場合、そのアルギニン1gは、通常のアルギニンサプリメントのアルギニン6~8g程度あるいはそれ以上に相当すると考えられます。また、アルギニンを長期間(例えば3ヶ月程度以上)摂取し続けても、アルギニンの効果が弱くなったり、消失したりする可能性は低いことが期待できます(『アルギニンサプリメントの正しい選び方』もご参照下さい)。
●アルギニンを摂取する場合の注意点
これについては『アルギニンサプリメントの正しい選び方』をご覧ください。
(2019年11月16日記)
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